お話を伺った方

お話を伺った方
店長 高橋恵一 様

運輸・宅配業界売上第1位の「ヤマトホールディングス(ヤマト運輸)」。同社の気仙沼地区における基幹店です。田中前にある気仙沼支店(気仙沼田中センター)、支店の系列店として、階上センター、南町センターがあり、宅急便の集荷と配達、そして窓口での荷物取扱い業務などを行っています。

雇用している障害種別:身体障害、知的障害

2016年秋、地元の就労移行支援事業所から紹介していただき、1週間の実習を行いました。彼は10代後半で脳卒中を発症し、後遺症により、記憶を保てない症状があり、また右手を中心に麻痺が残っていて、ものを運ぶといった仕事は当初は難しいと思っていました。しかし、本人から「ぜひ、ここで働きたい」と強く希望があり、改めて面接を行いました。そして、本人の熱意と努力、そして採用側の工夫で、何とかやっていけるのではと思い、パートでの採用に踏み切りました。

市内にある系列の集配センターで合計3名の障害者を雇用し、窓口での宅急便の受付、荷物の仕分けなどをお願いしています。当店にいる彼は、荷物が持てません。そして記憶することが苦手です。当初は、担当の上司が彼専用のマニュアルを用意し、受付カウンターにある透明マットの下に置きました。何度も同じ説明をする事になるなど、初めは教える側にももどかしさやストレスがありましたが、そういう障害なのだ、と同僚が理解するまでには時間がかかりました。

彼は、「ムリです、しんどいです」といった弱音を吐きません。根気と熱意があるのですが、目に見えない障害なので、ほんとうに大変そうな時を見逃さないよう、周囲のスタッフが目を配っています。雇用する側、雇用される側、どちらにも苦労する部分はありますが、会社の業務の中には、きっと任せられる役割はあると思いました。荷物のサイズを測る時に使うメジャーも、彼は自身の身体的ハンディを補う自己流の固定方法を考えだして、今ではそのやり方で採寸しています。他にも伝票などのシュレッダー処理や掃除、事業所の周りの草むしりといった作業もお願いしています。
同僚たちの協力や本人の努力や工夫もあって、今では大切な仕事仲間です。また、気仙沼市には人手不足という事情もあるのですが、彼には立派な戦力として働いていただいています。また、当社の仕事をきっかけとして、現在の業務が彼のリハビリとなり、そしてもっとさまざまなスキルを身につけていって欲しいと思っています。

人手不足という現状の中でも、仕事を求めている障害者と企業は出合えずにいます。企業側も、障害者だからと構え過ぎず、自社の業務を見渡せば、その中で障害のある方にもお願いできることはきっと見つかります。少しの工夫で業務を作ることも出来るかもしれません。当初、採用にあたって若干の不安もあった彼ですが、今では思っていた以上の戦力となっています。「これぐらいしかできないかな?」ではなく、雇用側の努力と工夫次第で、たとえ障害があっても、充分な戦力となりうる可能性を秘めていると考えます。

■雇用事例4コマ「記憶が苦手…やさしい指導で誰とでも元気に明るくコミュニケーション」

 

■お問い合わせ

ひゅーまにあ総合研修センター アシストグループ [email protected]