発達障害、とくに自閉症スペクトラム障害の代表的な特性の一つに「社会性の障害」というものがあります。

自閉症スペクトラム「社会性の障害」について

社会性とは、自分のことだけではなく他者の状況や気持ちを理解して、その場に合った言動を選択していくことを指します。社会性に障害があると他者との関わりに困難さを感じ、様々な対人関係の課題を抱えることが多くなります。

自閉症スペクトラムの方々の「社会性の障害」による、こんなエピソードを聞いたことがあります。主に職場でのことです。

<エピソード1>
同じ部署の同僚が忙しそうにしていたが、自分の業務は終わっていたため何も言わず退勤したところ、翌日上司から注意された。

<エピソード2>
新人の頃、指示がなかったので来客へのお茶出しをやらなかった。あとから先輩に「ああいうのは新人が率先してやるものだよ」と指摘されて驚いた。

<エピソード3>
同僚と何人かで雑談している時、自分では普通に話しているつもりが「話が長い」「しつこい」などと言われ、だんだんと距離を置かれるようになった。

上記のエピソードを「社会性の障害」に照らし合わせて考えてみましょう。
1は、「忙しい人の状況・気持ち」といった“共感性の障害”が招いた失敗だと考えられます。
2は、「お茶出しは新人がやるもの」という職場の“暗黙のルール”を読み取れなかったようです。
3は、同僚たちの表情やリアクションといった“非言語情報”の理解が難しかった可能性が考えられます。

いずれも結果として周囲から『気が利かない』『空気が読めない』などと評価をされてしまうような行動ですが、その背景にある自閉症スペクトラム障害の特性を考えてみると、少し違った見え方がしてくるのではないでしょうか。

社会性の障害については、職場としてできることがあります。例えば、暗黙のルールとして横行していることは明文化する、本人と話すときは明確で直接的な表現を心掛ける、本人にわかりやすいルールを決めて提示する(雑談は3分まで)などです。
また本人に対しても、就労移行支援事業所「チャレンジドジャパン」ではビジネスマナー講座やJSTといった社会性に関する支援を展開しています。

本人も周囲もできることを考えて実践し、双方が歩み寄ることで、よりよい関係性を築いていくことができると考えます。

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