チャレンジドジャパン総合研修センターでは、障害者雇用に関する研修・セミナーに関するご相談を承っております。
今回もお問い合わせやご要望の多い研修テーマについてお話します。

今回は「合理的配慮とわがままの違い」についてです。

以前、ある企業の人事課の方と研修の打ち合わせをしている時、こんなことを聞きました。
「これまで障害者雇用に関する研修はたくさん実施してきたので、『合理的配慮』という言葉は社内にずいぶん浸透してきている。でも実際に障害のある社員からの“合理的配慮”を現場に伝えると『それは”配慮”じゃなくて、ただの“わがまま”じゃないの?』という意見が返ってきた。障害のある人にできるだけ長く勤めてほしいが、一緒に働く社員たちの協力も必要。その調整が難しい」

合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。事業者(企業など)は無理のない範囲で合理的配慮の提供義務が課されています。合理的配慮の身近な例としては、多機能トイレやスロープ、点字ブロックなどがあります。

内部障害や精神障害など見えづらい障害がある人にとっての合理的配慮は、個人によって内容や程度が異なることが多く、状況によっては事業者側が完璧に応えられないことも考えられます。場合によっては、”合理的配慮”を”わがまま”と捉えられてしまうこともあるかもしれません。

では、“合理的配慮”と”わがまま”の違いはなんでしょうか?ポイントは「伝え方」にあります。

例えば、発達障害の方の特性として「聴覚過敏」(音の聴こえ方に障害がある)の方がいらっしゃいます。その場合、会社に求める合理的配慮としては以下のようなことが挙げられます。

・電話やコピー機など音の鳴る機械の側には座席を配置しないでほしい
・休憩時間は静かな環境で過ごしたいので一人にさせてほしい
・疲れやすいので、こまめに休憩を取らせてほしい

しかし、これらをそのまま伝えるよりも、以下のような伝え方をお勧めしています。

<①私の特性>
 発達障害の特性の一つで「聴覚過敏」です。通常の人よりも音に反応しやすく、場合によっては頭痛など体調不良を引き起こすことがあります。
<②工夫していること>
 疲れやストレスが溜まると上記の傾向が強くなるため、規則正しい生活を心掛け、リラックスしたりリフレッシュする方法を自宅で実践するなどしています。
<③配慮していただきたいこと>
 ・電話やコピー機など音の鳴る機械の側から遠い場所に座席配置をお願いしたい
 ・休憩時間は静かな環境で過ごしたいので、できるだけ一人にさせていただきたい
 ・疲れやすいため、1時間に1回、3分ほど休憩を取らせてほしい

配慮事項を伝える前に、「①私の特性」「②工夫していること」とワンクッションおくだけで印象が変わってきます。会社は人間の集まりですので、伝え方ひとつで印象が左右され、受け取り方が変わってきます。

このほかにも研修では、個別のケースに合わせた合理的配慮の伝え方や、社内調整の仕方の事例をお話しています。障害のある・なしにかかわらず、お互いが少しだけ歩み寄り、気分よく仕事ができるための工夫や方法を研修の中で一緒に考えていきます。

研修についてぜひ一度、ご相談ください。

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