チャレンジドジャパン総合研修センターでは、東京都より委嘱された外部専門員として、特別支援学校に通う生徒を対象に就労アセスメントを実施しています。生徒の特性や必要な配慮を整理し、在学中の指導目標を検討し授業改善や卒業後の進路検討に活用することを主な狙いとしています。

先日、就労アセスメントのために訪問した特別支援学校でこんなことがありました。

開始前に担任の先生が申し訳なさそうにこう伝えてきました。「今日の生徒は、最後までアセスメントを実施できないかもしれません」。曰く、普段から授業中の離席が多く、すぐに立ち上がってフラフラと教室の外へ出て行ってしまうのだそうです。今日も場合によっては離席したり退室してしまうかもしれない、とのことでした。

それを受けて就労アセスメントが始まりました。当の生徒さんは目の前の作業に集中して取り組みました。心配していた離席や退室は一度もなく、おかげで全ての検査項目を遂行することができました。無事に終了したことを伝えると、担任の先生は「え!そうですか」と驚いた様子でした。

アセスメントではふだんの問題行動(離席や退室)が起こりませんでした。この要因を考えたとき、生徒が置かれている環境を比較してみるとわかりやすいかもしれません。たとえば下記の違いが挙げられます。

環境を構成するものはさまざまです。上記の表では、「人」「関係性」「物理的」の3つの要素を挙げていますが、そのほかにも「気温」「明るさ」「広さ」「匂い」「湿度」「屋内外」などがあります。ある環境下では問題行動が見られるが、異なる環境下では見られない。このようなギャップは就労移行支援の現場でもよく見られます。

特に刺激に敏感で環境の影響を受けやすいASDの特性を持つ方は顕著に表れることがあります。先の生徒さんも、集中力に波があることは日頃から確認されていましたが、「好き嫌い」や「気分・体調」に帰結して考えられることが多く、物理的な環境の影響については重要視してこなかったとのことでした。

障害をもつ当事者にとって、スキルを発揮しやすい環境、しにくい環境を分析、把握することはとても重要です。就職先で環境を整えることも就労支援のひとつだと考えています。

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